こんにちは! 今回は、長編小説界の女王、アガサ・クリスティの代表作『そして誰もいなくなった』を読んだ多少のネタバレ含む感想をお届けします。
📖感想(ネタバレなし)
物語は孤島の大きな屋敷から始まります。 正体不明の「UNオーエン」からの招待状を受け取った10人の男女が集まるところから物語が動き出します。
「あなたたちは、過去に罪を犯しました。」
招待客たちの心の奥にある秘密が次第に暴かれいきます。 そして、その夜から「十人の兵隊人形」の童謡通りに、一人、また一人と謎の死を迎えていくのです。外部との連絡手段はなく、孤島からは逃げられない。犯人はこの中にいる。
読む側としても、気づけば10人と一緒に孤島に閉じ込められたような感覚になります。 誰も信用できない、でも次に自分が狙われたらどうしよう…という緊張感がずっと続いているんです。
🌟この本が「ただの名作」ではない理由
1. 「孤独無援」の恐怖感がリアルすぎる
この物語の最大の魅力は、やはり「クローズドサークル」という設定。 誰も外に逃げられない状況で、ひとりぼっちで消えていく…。言葉にありがちな設定ですが、クリスティの描き方が尋常じゃないです。
登場人物たちがだんだんに死んでいく中で、最初は「誰が犯人だ?」と探し合いをしているのですが、人数が少なくひたすら全員が「自分が次に狙われるかもしれない」という恐怖に飲み込まれていきます。その心理描写がめちゃくちゃリアルです。
私は普段ホラー小説はあまり見ないのですが、この作品は引き込まれました。
2.ラストの衝撃度は別格
この小説のすごさを話しますと、やっぱりラストは外せません。
「これ、誰も予想できないでしょ…!」
途中で何度も「この人が犯人か?」と滞っていたのですが、最後で全ての謎が解けた瞬間、「まさかの展開」に鳥肌が立ちました。 さらにすごいのは、ちゃんと物語のヒント中に散りばめられていたこと。
私は思わず本を閉じた後、もう一度最初から続けたくなりました。 プレイヤーを知った状態で読むと、見えなかった細かい伏線に気づけるんですよね。
3. 「童謡」を使った不気味さがクセになる
もうひとつ、この物語を印象深いのが、あの不気味な「十人の兵隊人形」の童謡です。登場人物たちはこの童謡に沿って命を落としていきますが、この設定がとにかくゾクゾクするんです。
「10人の兵隊が食事に出かけた1人が喉を詰まらせ、そして9人になった…」
という風に、童謡通りに人がおかしくなってゆく。 そして、屋敷に飾られている兵隊人形も、死者が出るたびにひとりぼっちで消えていくんです。 この演出が本当に不気味で、ただ人が死ぬだけではない「何かに操られている感覚」が漂っていました。
とりあえず、童謡って本来は子どものためのものなのに、こんなに不気味になれるとは…。このアイデア力、実にクリスティとしか言いようがありません。
💡読んでみて思ったこと:これは『人間ドラマ』でもある
『そして誰もいなくなった』は長編小説でありながら、人間ドラマとしても深い作品でした。 孤島で命の危険にさらされたとき、人はどんな行動をとるのか。 信じられる人が誰もいない状況で、自分を守るためには何を犠牲にするのか。
登場人物たちの心理描写、「人間の本質」に迫っていると感じました。誰しも心の奥に秘めた闇があり、それが極限状態で顔を出す。そんな怖さを突きつけられるような感覚でした。
📚まとめ:名作と呼ばれるには理由がある
『そして誰もいなくなった』を読み終えた今、心からの思いは、「後味の悪さがなくてびっくり!」ということ。80年以上前に書かれた作品とは思えないほど、今でも新鮮でスリリングでした。
- 恐怖と緊張感が途切れないクローズドサークルの設定
- 最後に度肝を抜かれるラスト
- 何度でも楽しめる緻密な伏線
これらが絶妙に組み合わさり、「やっぱりアガサ・クリスティはすごい!」と思いました。とにかく好きなら絶対に読むべき一冊ですし、普段あまり小説を考えない人にもオススメしたいです。
先に読んで、しばらく物語の余韻から抜け出せないかも知れません。でも、それこそが良い本を読んだ証拠ですよね。 ぜひ、この孤島でのスリリングな体験をあなた自身もたっぷり味わってください!
🔖あとがき:古典短時間の魅力、再発見しました
普段は現代小説ばかり読んでいましたが、『そして誰もいなくなった』を読んで、「古典もとても面白かった!」と再発見できました。時代を超えて人々を魅了し続ける理由が、しっかり詰まった作品でした。
あなたも、もし「古いから…」と敬遠していたなら、この機会にぜひ読んでみてくださいね!
それでは、また次の感想記事でお会いしましょう📚✨
筆者は普段、よう実などの本を読んでいます。そちらもネタバレ感想記事とか書いたりしているので良ければどうぞ。

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